2015/12/28 15:08


地球温暖化での二酸化炭素削減からも森林が担っている役目が重要であることは、誰の目にもあきらかです。
重要であることはわかっていても、どこか他人事であった森林資源。
その森林資源に2020年開催の東京オリンピックの新国立競技場がスポットライトを照らしてくれました。

世界トップクラスの森林資源を有する日本の森林のほとんどは人工林です。
人工林は終始人の手が入らなければ死に絶えてしまうにもかかわらず、その森を守る山村は強烈な過疎が進み山村自体が絶滅の危機に瀕しています。

神宮の杜に建つ「杜のスタジアム」が日本国内に世界に日本の森林と木造建築の素晴らしさをアピールしてくれる又とない機会となるでしょう!
今回建築家の隈研吾氏が手がけた設計では、日本の伝統建築に用いられる「垂木」が特徴だと言われています。
また、猛暑の夏本番のオリンピックに「風の大庇」と呼ばれる風の通り道から風を呼び込み快適な観戦環境を演出するのが楽しみです。

これからの環境問題は、最重要事項に森林を取り入れなければなりません。
また、今回の建設でも使用される木材は、森林認証をとっていることが世界基準とされています。

では、この森林認証とは、どういったものでしょうか!
林野庁の正式な見解では以下の内容で記述されています。

森林認証・ラベリングは、「独立した第三者機関が一定の基準等を基に、適切な森林経営や持続可能な森林経営が行われている森林又は経営組織などを認証し、それらの森林から生産された木材・木材製品へラベルを貼り付けることにより、消費者の選択的な購買を通じて、持続可能な森林経営を支援する取り組みであり、ラベリングした木材・木材製品の流通のために、流通に関与する者は消費者の手元に届くまでの各段階において、認証された森林からの木材・木材製品をそれ以外のものとは区別して取り扱う体制になっていることを認証されること(Chain of Custody認証:CoC認証)が必要」とあります。

日本の山林も行政もこういった環境整備に重点をおいて山林経営に取り組んでいかなければならない状況であり、消費者もしっかり国産材を消費するかわりに、こういったことにもっと関心をもった消費に移行していってもらいたいものです。